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Donne, M. D.*; Harries, D. R.*; Kalinin, G.*; Mattas, R.*; 森 清治
Journal of Nuclear Materials, 212-215(1), p.69 - 79, 1994/09
核融合炉ブランケット設計の立場から材料に対する要求と問題点を整理した。オーステナイト鋼は低温脆化と高温スウエリング、マルテンサイト鋼は低温脆化、バナジウム合金は組成の特定と照射特性及び製作性がそれぞれの課題である。各種セラミックス増殖材の最重要課題は照射下(バーンアップ数%以上)での機械的な健全性である。ベリリウムに対する中性子照射による最も重要な特性はスウェリングと残存トリチウムである。温度200-700C、数万appmHe程度までの照射データが必要である。液体金属ブランケットでは材料共存性の問題が重要である。LiPbの場合にはトリチウム透過を低減する障壁材の開発が必要となる。また自己冷却概念ではMHD圧損を低減するための流路の電気絶縁構造及び材料開発が必須である。この絶縁材は照射下、電磁場中での健全性と自己修復性がもとめられる。
鈴木 哲; 秋場 真人; 荒木 政則; 佐藤 和義; 横山 堅二; 大楽 正幸
Journal of Nuclear Materials, 212-215(1), p.1365 - 1369, 1994/09
次期核融合装置用ダイバータ板開発の一環として、サドル型ダイバータ模擬試験体を開発し、加熱実験を行った。本報告は定常熱負荷20MW/mにおける熱サイクル実験及び有限要素解析によるダイバータ模擬試験体の寿命評価に関するものである。熱サイクル実験では、電子ビームによる定常熱負荷を1000サイクルにわたって与えたが、試験体には除熱性能の劣化は観察されず、実験後のSEM観察においても繰返し熱負荷による損傷は認められなかった。この実験を模擬した弾塑性熱応力解析を実施した結果、本試験体は20MW/mの熱負荷に対し、60000回以上の疲労寿命を有すると判断され、ITERのCDAにおけるダイバータ板の設計熱負荷・設計寿命に対して十分な性能を持つことが確認された。
秋場 真人; 班目 春樹*
Journal of Nuclear Materials, 212-215(1), p.90 - 96, 1994/09
プラズマディスラプションによる構造材料,プラズマ対向材料の材料損耗に関する招待講演及び招待論文である。プラズマディスラプションによる材料損耗に関する研究は従来、電子ビーム,イオンビーム,レーザー,プラズマガン等を用いて行われている。この分野で、原研の研究は世界のトップレベルにあり、本論文は、これらの実験データのレビューを行うとともに、熱源の違いによる材料損耗現象の相違について述べる。
阿部 弘亨; 木下 智見*; P.R.Okamoto*; L.E.Rehn*
Journal of Nuclear Materials, 212-215, p.298 - 302, 1994/00
Siのイオン照射誘起非晶質化に及ぼす同時電子照射効果について明らかにした。イオン・電子同時照射により、非晶質化は抑制され、抑制のために必要な臨界電子線束密度が求められた。それはイオン照射によるエネルギー付与密度、イオン線束密度、電子エネルギーに依存する。これより、イオン照射誘起非晶質化は、本質的に、イオン照射により生じるカスケードのオーバーラップによって生じることが判明した。さらに、同時電子照射による非晶質化の抑制効果は、カスケードが点欠陥の照射誘起拡散や電子励起によって不安定化することに起因することが明らかになった。
柴原 格; 小野瀬 庄二; 赤坂 尚昭
6th Int.Conf.Fusion Reactor Materials (ICFRN-6), 1 Pages, 1993/09
高速炉用に開発したPNC316,PNC1520改良オーステナイト鋼は非常に優れた耐スエリング特性を示す。これは照射中に生じる微細な隣化物がボイドの成長を抑制しているためである。単純合金でも同様な隣化物の効果が認められ,改良鋼の耐スエリング性の改善を裏付けているが溶体化処理した実用鋼では隣化物の効果が認められず,むしろ照射中に発達する照射誘起炭化物等によるスエリングの増大がある。この結果から,実用鋼においては冷間加工が重要な役割を果たし,その状態下で隣化物が一層の改善効果を果たしていることが明らかになった。